色と食欲の関係 - 飲食店が赤を使う科学的な理由
なぜマクドナルドは赤と黄色?色が食欲に与える影響を科学的に解説。飲食店のブランディングに役立つ配色のコツも。
なぜ飲食店は赤を好むのか
街を歩いていて気づいたことはありませんか?マクドナルド、ケンタッキー、すき家、ピザハット…多くのファストフード店が赤色をブランドカラーに採用しています。
これは偶然ではありません。色彩心理学の研究によって、赤色が食欲を刺激することが科学的に証明されているのです。
色と食欲の科学
赤色が食欲を増進させる理由
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心拍数の上昇 赤色を見ると、自律神経が刺激され、心拍数が上がります。これにより代謝が活発になり、空腹感が増すと言われています。
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原始的な本能 人類の祖先にとって、赤い食べ物(熟した果実、肉)は栄養価が高いサインでした。この本能的な反応が現代でも残っています。
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注目を集める 赤は最も目立つ色の一つ。看板やメニューで赤を使うと、無意識に注目が集まります。
黄色との相乗効果
多くのファストフード店が赤×黄色の組み合わせを使う理由:
- 黄色:幸福感、楽しさ、子どもの注目を集める
- 赤×黄色:緊急性(早く食べたい)を刺激
この組み合わせは「ケチャップとマスタードの法則」とも呼ばれています。
色別・食欲への影響
食欲を増進させる色
| 色 | 効果 | 使用例 |
|---|---|---|
| 🔴 赤 | 食欲増進、興奮 | マクドナルド、KFC |
| 🟠 オレンジ | 楽しさ、親しみやすさ | ファンタ、吉野家 |
| 🟡 黄色 | 幸福感、注目 | サブウェイ、デニーズ |
| 🟤 茶色 | 温かみ、コーヒー感 | スターバックス、ドトール |
食欲を抑制する色
| 色 | 効果 | 理由 |
|---|---|---|
| 🔵 青 | 食欲減退 | 自然界に青い食べ物がほぼない |
| 🟣 紫 | 不安、違和感 | 腐敗を連想させる |
| ⚫ 黒 | 重厚感 | 高級店では逆に効果的 |
| 🟢 緑 | 健康的 | ヘルシー志向のブランド |
青色ダイエットの真実
「青い食器で食べると痩せる」という話を聞いたことがありますか?
これには一定の科学的根拠があります。2012年のコーネル大学の研究によると:
食器の色と食べ物の色のコントラストが高いほど、盛り付ける量が減る
青い食器は多くの食べ物と対照的なため、無意識に量を減らす傾向があるようです。
ただし、これは短期的な効果であり、慣れてしまうと効果は薄れます。
業態別・おすすめ配色
ファストフード
メイン:赤 (#E53935)
サブ:黄色 (#FDD835)
背景:白
狙い:回転率アップ、衝動的な購買
カフェ・コーヒーショップ
メイン:茶色 (#795548)
サブ:ベージュ (#D7CCC8)
アクセント:緑 (#4CAF50)
狙い:リラックス、長居してもらう
高級レストラン
メイン:黒 (#212121)
サブ:金 (#D4AF37)
アクセント:深紅 (#8B0000)
狙い:特別感、高級感の演出
ヘルシー・オーガニック
メイン:緑 (#4CAF50)
サブ:白 (#FFFFFF)
アクセント:ライム (#CDDC39)
狙い:新鮮さ、健康的なイメージ
居酒屋・和食
メイン:朱色 (#E64A19)
サブ:墨色 (#37474F)
アクセント:金茶 (#C9A227)
狙い:活気、和の雰囲気
照明の色も重要
色の効果は、照明によっても大きく変わります。
| 照明の色 | 効果 | 適した業態 |
|---|---|---|
| 暖色(電球色) | 料理が美味しそうに見える | レストラン全般 |
| 寒色(蛍光灯) | 清潔感、でも食欲減退 | ファストフード(回転重視) |
| 調光可能 | 時間帯で雰囲気を変える | カフェ、バー |
ケーススタディ:スターバックスの緑
スターバックスのブランドカラーは緑です。
「緑は食欲を抑制するのでは?」と思うかもしれませんが、スターバックスの狙いは違います:
- コーヒー=茶色との差別化
- 環境への配慮のイメージ
- 落ち着き・リラックスの演出
- 長居してもらう(客単価アップ)
ファストフードとは真逆の戦略で成功している例です。
実践:メニュー表の配色
メニュー表で売上を上げるための配色テクニック:
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おすすめ商品は赤枠で囲む 視線が自然と集まります
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価格は控えめな色で 黒やグレーで目立たせすぎない
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写真は暖色系の照明で撮影 料理が美味しそうに見える
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背景は白またはクリーム色 清潔感と読みやすさを両立
まとめ
色は食欲に大きな影響を与えます。飲食店のブランディングでは、この効果を理解した上で配色を決めることが重要です。
ただし、業態やターゲットによって最適な色は異なります。ファストフードの赤が効果的だからといって、高級フレンチに赤を使うのは逆効果かもしれません。
自店のコンセプトと、狙いたい効果を明確にした上で、色を選んでみてください。
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